風になれ
ママの顔も見れなくて
とりあえずフレンチトーストを食べた。

意識すると咀嚼が
多く大きくなってしまって
なんだかわざとらしい食べ方に
なってしまった。

「ごちそうさま」

ママから目をそらしたまま席を立つ。

「野風、本当にごめんね?
今日はやっぱり行かないほうがいい?」

怒っていると思ったらしいママが
心配そうにきいてきた。
私は首をふって怒ってないと意思表示。

「びっくりして何も言えないだけ。
嬉しいし、恥ずかしい。
今日は堂々と来てよ。
やっと私、自信もてたんだから」

今度はまっすぐママを見る。
そのまま私はリビングを出た。

あと少ししたら家を出なきゃ。
今日は4人で行こうと約束している。
待ち合わせはうちの前だから
私が遅れるわけには行かないもんね!

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