風になれ
「ねぇ、いつまでつったってんの」
「瀧さん、動いて!!」

げっ。
ぼーっとしてた。

「すいません、…ボール送りますっ」

するとセンパイ達は
わざとらしくそれをスルーして
コートに戻ってしまった。

はぁ~!?

「ほんっとのろま」「超きも」「うぜぇ」

なんなの一体!
今日びこんなあほくさいいじめ
小学生でもやらんわ!!

わざと私にきこえるように
悪口を言うセンパイ達に
心の中で悪態をつきながら
私はもといた定位置に戻った。

心の中では散々に言えるけれど
やっぱり面と向かって言えない私は
同級生たちと同じように弱い。
< 3 / 168 >

この作品をシェア

pagetop