風になれ
「どぉしたもなくない?
 なんでペアチェンすんの?
 ウチ、有島とここまでやってきたのに
 チェンジされたら困るよぉ!
 いっちゃ悪いけど伊久は
 元から番手1番下じゃん!
 1年と組ませるのが妥当だと思う」

峯岸、とキヨちゃんが小声で止める。

「なんで止めんの?
 ウチ、正論だと思う。
 てか、有島はウチと離れてもいーんだ!?」
「そうじゃないよ。
 みんな同じ気持ちだよ。
 けど峯岸もわかってるでしょ?
 伊久は最近上手くなってきてるじゃん。
 南は上手だったけど
 明らかに怪我で足を引っ張ってた。
 伊久をここで止めてちゃ
 自分達のためにならない」

それに安心して、と
キヨちゃんは続けた。

「うちらはずっと一緒だよ。
 番手戦で全勝して1番手はキープ。
 ウチのペアは峯岸だし
 峯岸のペアはウチ。
 ね、いつ離れるの?」
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