風になれ
「野風の気持ち、わかってたよ。
 だから決められなかった。
 ウチはただ、野風とテニスがやりたい。
 その関係に溝が出来ちゃうなら
 副部長なんてやりたくないと思ったの」

初めて聞いた優子の気持ち。
なんだか嬉しくなると同時に
申し訳なくなってしまった。

「でも今、
 野風の顔見て、言葉聞いて、決めた。
 ウチ、副部長やろうと思う。
 だってウチらは変わらないと思うから」

そうでしょ?と言われて
私は大きく頷いた。

「頑張れ、優子」

ありがとう

優子は照れたように笑って
それからいつもどおり
ポテトを頬張り始めた。
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