風になれ
「うん。
 あとちょっとで出来そうなの。
 ちゃんとモノにしてから帰りたくて」

出来そうというそれは
最初に教えてもらったカットサーブ。
そのあともいろいろな打ち方を
教えてもらったりしたんだけど
これだけはなかなか納得いくように
打つことが出来なかった。

「野風、まだ日にちはあるんだし
 今日こんな成長したのでもすごいのに
 一日でカット出来たら俺泣いちゃう」

確かに一日習得は無謀だけど…

「それでも、一回くらいは!
 たまたまでもいいから、完璧に!!」

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