風になれ
わざとなのかたまたまなのか
どっちにしろ私的には
あまりよろしくないタイミングで

「野風!」

奴が来た。

「あ、ごめん、取り込み中?」

もっと前に気づいてくれ。

もちろんみんなにやにや。
ファンの後輩たちなんて顔が真っ赤だ。

「え、何この空気?」
「五十嵐のこと話してたんだよ」

さすがキヨちゃん。
にやにやしながらも主張するねえ。

「え、俺!?」

当の本人はすっとんきょうだ。

「そ。
 うちの大事な野風チャンとね
 どこまでいってるのかってハナシ」

ぎょぎょ!
そこまで言う!?

ちらりと大地くんを見ると
彼はうーんと考えこんでいた。
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