ミライミドロップ
「キャーッ!!」
周りの人が、勢いに乗って叫ぶ。
でも、大抵ああいうのって、ホントは怖くない人がやるんだよな・・・。
ノゾミも、その中の一人。
俺はと言うと・・・
ずっと黙ったまま、やり過ごしていた。
水系は、昔っからダメ。
普通の絶叫系ならいいんだけどな・・・。
―――――終わった後。
しばらく周りをぶらぶらすることにした俺達。
そして、ノゾミは、多分乗っている間に気付いたのだと思う。
「ケイタ・・・ああいうのダメだった?」
「えっとさ・・・小さい頃、兄貴に海に放り投げられたことあってさ、それからダメ。」
・・・そういえば、俺がダメになるのは、
あれもこれも、全部兄貴のせいじゃないか!!
と、俺がまた兄貴への怒りを煮え滾らせていると、
「そうだったんだ・・・言ってくれればよかったのに。」
少しさみしげな表情をするノゾミ。