ミライミドロップ
俺は慌てて、ノゾミを“お姫様だっこ”すると、
駆けだした。
ノゾミにいいとこ見せたいと思って、あまり表に出してないけど...
俺だって、アレは正直怖かったし、
早くあの場から立ち去りたかった。
―――お化け屋敷から出ると、近くのベンチにノゾミをおろした。
「大丈夫か?ノゾミ。」
「うん...。でも、もう歩けないかも...。」
その後、係員さんにノゾミの足を手当てしてもらい、
耳を疑うような話を聞かされた。
「いや~。でも、こういう事故、最近多いんですよね~。」
「そうなんですか?」
「はい。なんといっても、最近ここで大きな事故があって...死亡した女性がいたんですよ。」
「・・・・・。」
「それが関係で、こういう事が最近立て続けに起こっているっていう、噂ですよ。」
俺とノゾミは、顔を見合わせる。
「それじゃ!!」
係員さんは、何故か陽気な足取りで、持ち場へ戻って行った。