純愛、こじらせちゃってます。
第6話 事件です!
どんなに久留生海斗と距離を置きたくても、狭いスタンドの中。
どうしても話さなきゃいけない時もある。
私はいつもはガソリンスタンドのレジに張り付いて会計をしている。
お客からのお釣りをネコババするとんでもないバイトがいるため、それをしっかり管理するのが私の隠密の仕事。
それでも忙しい時は、そればかりをしている訳にもいかない。
スタンドに出て給油したり、窓を拭いたり、雑巾を洗濯して台に配ったり、とにかくやること満載だ。
この日は連休前の週末ということもあって、給油しようと車が列を成していた。
そんな時、例の事件が起きた。
「らっしゃーーーーい!!」
みんな声を張り上げて、右に左にと走り回っている。
「いらっしゃいませ!!!」
私はレジを離れ、外のスタンドに駆け出てお客様に挨拶する。
お客様が窓を開け、「レギュラー、現金、満タンね」と注文する。
給油口を開けて給油している間に、窓拭き、灰皿掃除。
そして最後にお会計。
お釣りを渡して、ニコニコ送車。
うん、バッチリ!
もうすっかりバイトに慣れた私の対応は100点と言ってもいい感じ。
走り去る車に大きく手を振っていると、いきなり久留生海斗に手を掴まれる。
「舞香ちゃん!」
「な、何?!」
寄るな、触るな、近寄るなと忠告したばっかりなのに……。
何なの?!
こいつ!!
「君、この蓋、どうしたの?」
私は手にしっかりと握っている、蓋を見た。
これ……さっきの車の給油口の蓋だ!!!!!!
「ど、どうしようっ!」
「車のナンバーは?」
「わっ……分かんない!」
「お客様の名前とか分かる?」
「現金で払ってったから……」
「車種は?」
「……分かんない。でも、色はオレンジの小さな車だった」
足が震える。
どうしよう。
これじゃ、ガソリンがダダ漏れだ。
「今、出てったばかりだったよね。大丈夫、俺に任せて。
すみません。所長、ちょっと出て来ます」
久留生海斗はバイクにヒラリと跨ると、猛スピードでガソリンスタンドから飛び出していった。
どうしても話さなきゃいけない時もある。
私はいつもはガソリンスタンドのレジに張り付いて会計をしている。
お客からのお釣りをネコババするとんでもないバイトがいるため、それをしっかり管理するのが私の隠密の仕事。
それでも忙しい時は、そればかりをしている訳にもいかない。
スタンドに出て給油したり、窓を拭いたり、雑巾を洗濯して台に配ったり、とにかくやること満載だ。
この日は連休前の週末ということもあって、給油しようと車が列を成していた。
そんな時、例の事件が起きた。
「らっしゃーーーーい!!」
みんな声を張り上げて、右に左にと走り回っている。
「いらっしゃいませ!!!」
私はレジを離れ、外のスタンドに駆け出てお客様に挨拶する。
お客様が窓を開け、「レギュラー、現金、満タンね」と注文する。
給油口を開けて給油している間に、窓拭き、灰皿掃除。
そして最後にお会計。
お釣りを渡して、ニコニコ送車。
うん、バッチリ!
もうすっかりバイトに慣れた私の対応は100点と言ってもいい感じ。
走り去る車に大きく手を振っていると、いきなり久留生海斗に手を掴まれる。
「舞香ちゃん!」
「な、何?!」
寄るな、触るな、近寄るなと忠告したばっかりなのに……。
何なの?!
こいつ!!
「君、この蓋、どうしたの?」
私は手にしっかりと握っている、蓋を見た。
これ……さっきの車の給油口の蓋だ!!!!!!
「ど、どうしようっ!」
「車のナンバーは?」
「わっ……分かんない!」
「お客様の名前とか分かる?」
「現金で払ってったから……」
「車種は?」
「……分かんない。でも、色はオレンジの小さな車だった」
足が震える。
どうしよう。
これじゃ、ガソリンがダダ漏れだ。
「今、出てったばかりだったよね。大丈夫、俺に任せて。
すみません。所長、ちょっと出て来ます」
久留生海斗はバイクにヒラリと跨ると、猛スピードでガソリンスタンドから飛び出していった。