続☆恋ごころ-君と恋愛-
千晴先輩が、フォローする。
でも、どうして?
棒読みなんてしてるつもりなかった。
意識せず…そこそこちゃんとできたはず。
「強いて言うなら、ただセリフを読み上げる棒読みのプロだ。棒読みのプロなんかじゃ、演劇のアマチュアにだってなれやしない。」
「意味…わかんないです。私はどうすればよかったんですか?」
「先生が言った"恥を捨てろ"というのは、私情を入れるな、という意味。それをふまえて、自分で考えろ。」
先輩の言葉は、冷たく聞こえるけど…
表情は、冷たくない。
「あんな演技は小林じゃない。答えが見つかるまで、俺はしばらく演技を放棄する。」
「さ…佐野くん!?」
そういって、衣装を脱ぎ始めた。
「…佐野のいうとおりだ。全くもって素晴らしい意見だった。小林、お前はもう少しで一番大事なことに気づけそうなんだ。…がんばれ。」
先輩は、壁にすがって、見物の体勢になる。
私は、答えを見つけれるの…?