いつメン


ま、これが修羅場って奴?ドラマでしか見たことなかったけどまさか、自分がやる立場になるなんてな…

「殺せるもんなら殺してみれば?」

「ふ、ふははははは!」

親父さんはこんなんになってしまった。莉奈は優しい。そんな莉奈の親父さんだから優しかったんだろう。

「人間風情が!そんなに死にたいか!!」

完璧狂ってる。もう親父さんを助ける事は無理だろうな。

「しょうがない。殺るか…ゴメン…莉奈…俺お前の親父さんを…殺るから…」

俺はそう覚悟して言葉と同時に地を蹴った。

俺に戦い方なんて知らない。けど…

「なんで自然と動いてるんだよ…」

俺は床に陣を作り、手を当てて剣を出した。

剣術なんて持ってない。
もちろん武術だって持っていない。

なのに体が勝手に動く。

「ここまでやったらマジで殺るしかないか…」

俺は剣を手に取り親父さんに降りかかる。

けどすぐに剣で受け止められた。

「ちっ」

「ここまで来れる奴だからどんな奴かと思ったらこんなものか!」

《願え》

願え?

《お前の願いを魂から本気で願うんだ》

願い…決まってる。
俺の願いはもちろん…

「大切な人たちを守る!!」

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