いつメン


―――歩未視点――――

「空…残るのかな…」

あたしは空が悩んでるのがわかる…ずっと側にいたから。

「空さんの事…心配ですか?」

「うん…」

けど今回はあたしが入る所じゃない…きっと空の悩みは雅が解決してくれる…

~♪♪~♪

あ…電話…

「はい」

『歩未?』

「莉奈…どしたの?」

『明日…私…みんなより先にヤマトに行くね』

思いがけない言葉だった…。

「なんで!?」

『私ね…本当は…』

怖い…。
莉奈の口から本当の事を聞くのが…。

『本当は…ヤマトの人間なんだって…』

「ウソ…」

『ごめんね』

「雅は?知ってるの?」

本当は答えなんてわかってる。莉奈が雅に言えるわけない。

『知らない』

「なら明日出発しよう」

『え…?』

「明日みんなで行けば雅も気づかないでしょ?」

『そうだけど…』

「大丈夫!あたしに任せて!!」

『わかった…』

プチッ

莉奈がヤマトの人間…

今あたしの頭の中はこの言葉しかなかった。

~♪♪~♪

また電話…

「はい」

『俺。雅』

「うん。どしたの?」

『空。行かなくなったから…』

「そう…」

『びっくりしないのか?』

「なんとなく想像ついてたから…」

『そか』

「ならさ…ヤマトへの出発…明日にしない?」

『明日?』

「ほら…ヤマトは大変な事になってるんだし…1日でも早く行ったほうがいいかも…」

『お前が言うなら明日…出発しよう』

「うん…」

プチッ

「嫌ですか?」

「何が?」

「莉奈さんがヤマトに行く事」

「シュウ…あたしは莉奈の親友だよ?」

「親友だからこそ嫌なんじゃないんですか?」

「…」


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