王子な彼の恋は盲目
「美奈ちゃん美奈ちゃん」
「何」
「今月はね、もうお昼ごはん食べれる余裕ないんだー」
「…笑い事じゃないわよ」
へらへら笑ってたら
やっと本からこちらへ視線を向けてくれた。
この人形みたいに綺麗な子は
篠原美奈子《シノハラミナコ》
私の親友であり、この学校で
初めて話した女の子。
私とは違って凄くお金持ちで、
少々キツい性格だけど
実はとっても優しい子です。
「今日はパンでいいなら奢るわよ」
「本当!?」
心底興味が無さそうな顔をしていた癖に
心配してくれていた彼女はやっぱり優しいと思う。
「ニヤニヤしないの」
「あたっ」
…調子にのると叩かれるけど。