君の好きな人。
―――ピーンポーン…
「あっ遼来たっ!!じゃぁお兄ちゃん、行って来るね。」
「えー彩未〜もう行っちゃうの?」
駄々をこねているお兄ちゃんはほっといて、私は遼の所に行った。
「お母さ〜ん、行って来るね!」
「あまり遼君に迷惑かけちゃだめよ。」
「はいはい。分かってるよーっ。」
これも毎朝行われるやり取り。
「いってきまーす!」
ガチャ…
扉を開けるとそこには愛しいひとの姿。
自転車に乗りながらはにかむ姿は胸がキュンってなる。