white*letter



「…お母さん、どうしたの……」

「…………」

一度も呼吸をしない母親。


「お母さん…お母さん起きて?…ご飯、ご飯は?私まだ食べてないよ?お腹すいたよ!!ねぇお母さん!!!」

「砂瑛ちゃんっ」

お母さんを一生懸命揺さぶる私を、後ろから止めるように抱きしめたのはおばあちゃんだった。


「お母さんヤダよ!!起きてよ!!早く帰ろうよ!!!」

不思議と涙は出ない。


「……お父さんも…なんでみんな寝てるの?」

「………っ…」

おばあちゃんの泣き声だけが聞こえる。





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