white*letter
「ちゃんと生きる」
冷たいような、温かいような、そんな風にそっと包まれた。
「ありがとう。ちゃんと最後まで話しを聞いてくれてありがとう」
「…………」
「何も言わなくていいから、今度は黙って見ていて」
内藤くんも私も、お互いの目をそらさずにじっと見つめる。
「これから前に進むから、見守っていてほしい」
「…………」
「ずっとじゃなくていい。今だけでもいいから、見ていてほしいの」
届くかな。
矛盾しているこの言葉たちが、ちゃんと内藤くんに届くかな。
「わかった。ちゃんと見てるから」
どうやら、ちゃんと内藤くんに届いたらしい。
「ありがとう」
そんな内藤に、笑顔を向けて見せた。