white*letter
「砂瑛は、自分の気持ち。ちゃんとわかってる」
「…うぅ……っ………」
「素直になれよ、馬鹿」
そうやって笑う浤太の笑顔が、大好きだった。
…昔も、今も……。
赤くなった目を、メガネと前髪で隠しながら廊下を歩く。
誰も見てないから、泣いた事なんか気付かないけど。
…なんでか、隠していた。
「岬ぃ〜」
前には、女の子たちに囲まれた内藤くん。
苛々する、その空気。
そして、そのあとすぐ嫌悪感に襲われる。