white*letter
内藤くんはとても遠い人だと、改めて感じた。
…岬、と呼ぶ声なんかに全然反応しない。
ため息ばかりついている、内藤くん姿が確認できた。
そして、だんだんこちらに向かって来るその団体。
そして、目と目が合う。
私の目の前で、内藤くんが立ち止まるから団体も立ち止まる。
「…あ…」
そして、そう声を漏らしたのは内藤くん。
「え?」
「その紙ってさ…」
「かみ…?……あ、これ?」
「そう。それどうした?」
「どうしたって…」
内藤くんの後ろに居る女の子たちが、ものすごく睨んでくる。
……恐ろしい目力で…。