white*letter
「おまえは本当なんなんだよ…」
抱きしめていた腕を、私の肩に回す。
「砂瑛ちゃんと喧嘩したっつって泣き言言って来ても慰めてやんねぇからな!!!笑ってやるからな!!!おめぇの惚気話しだけはぜってぇ聞いてやんねぇからな!!!!」
「……………」
「覚えとけこのムッツリ!!!」
それだけベラベラ言って、去って行った拓也くん。
早口で言ってたのに、一度も噛まずに喋った拓也くんに感心する私に、
「アイツ、タダじゃおかねぇ」
最後の『ムッツリ』発言に、カチンときたらしい内藤くん。
「…ムッツリなの?」
「違ぇよ」
「…ムッツリなんだ」
そう言って笑う。
「拓也のヤツ、生きて返さねぇ…」
相当嫌だったらしい。
その後もしばらく『ムッツリ』と言って、からかって遊んでた。