キミの手の奥の僕


吃驚したような顔で未玖を見ると、にこっと笑った未玖の顔が間近にあってキュンとする。




可愛い…この天使め…。




私が顔を赤くして未玖を見ていると、未玖は私の服に視線を落とした。




そして間を取って発した言葉。



「香世の私服…香世っぽいね!」



未玖…今一瞬顔曇った気がしたんですが…



しかた無い、服とかよくわかんないだもん。






「あーマジ、香世って感じ。オーバオール似合いすぎ」




沙和と話していた晴が前髪の間から細い茶色の目を向けて笑って言う。




整った顔でコーヒーを片手に持っているその姿は、高校生なのに妙に色っぽい。






なんか、大人の男…みたいな?




服装自体が落ち着いた色で統一されてるから余計に。








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