キミの手の奥の僕
沙和はそんな晴から顔を逸して言う。
「そんな事言って、実はMだったりして」
晴はその言葉にブハッと吹き出して笑っていた。
未玖と私二人目を合わせて、笑った。
未玖が私の耳元に手と口を近づけ小さく呟く。
お に あ い だね
と。
私も未玖の耳に顔を近づけて言った。
ほ ん と だね
って。
二人には聞こえないかも知れないけど、あのね本当にお似合いだよ。
晴もいつか沙和の魅力に気づく日が来るかな?
来て欲しいな…。
私は青い空を見上げて心の中で呟いた。
どうか、沙和の気持ちが晴に届きますように…。