キミの手の奥の僕
笑顔で手をふってそのまま歩きだす。
そもそも私なんて襲う奴いないし。
DVD借りにいくときとかだって何回も一人で行って帰ってるし。
だーいじょーぶ、だいじょ-ぶ。
家の近くまできたところで、人通りは少なくなった。
ところどころで漏れる家のあかり。
…。
なんだろ、さっきから足音が…。
そう思っていると急にガサっと音が鳴った。
私はとっさに携帯を取り出す。
「おじょうちゃん~…」
ひぃぃぃーーー!
それと同じに隣で声が聞こえて、携帯を持った手を握られた。
振り向くと間近にある知らないおじさんの顔。
「あ、あ、あ、あの、」
恐い~!!!
今日に限ってありえないよぉぉー!
私の手を掴んだまま、そっと腰に手を回してきた。
嘘でしょう…。