キミの手の奥の僕
こうしてまたいつものように一週間が始まった。
教室のドアを開けて自分の席へと歩く途中、私の横をすれ違うように尚くんが通る。
「おはよう」
そう尚くんにゆうと、少しだけ私をみてすぐにまた歩いていってしまった。
私、嫌われてるのかな?
そうだったらなんかやだな。
しゅんとなって机に荷物を置いていたら、
「おはよ!香世」
にこっとした笑顔の沙和が私にいった。
「おはよう、沙和」
そんないつもと変わらない沙和の笑顔に私の胸は痛く疼く。
「私、もっと晴に意識して貰えるようなな頑張る!」
照れながらも、力強く言った沙和に私は頑張ってといわなくちゃいけない。
いや、前なら嬉しくなる。
頑張ってと 強く言えた。
なのに、言葉に詰まる私を、不思議そうにみる沙和に、私は小さく うん といった。
いたい。
苦しい。