キミの手の奥の僕
なんで私は晴を好きになってしまったんだろう。
あの雰囲気が、
あの声が、
あの優しさが、
あの温もりが、
ずっと私に残ってる。
たった、何時間かの出来事が、彼を忘れさせてくれなくなって。
たった、何時間かの出来事で、友達を裏切ってしまうなんて。
「…うっ…ふ…」
私が泣いてても意味がない。
分かってても涙は止まってはくれないし
「…好き…」
好きだという気持ちは、やはり消えてはくれない。
口から漏れる嗚咽と混じる好きという言葉は、気持ちを軽くもさせて重くもさせる。
だけど、それでもとまらなく出てくるこの二文字の言葉に私の気持ちは決まってしまった。
わたしは晴が好き。
好きなんだって…。