キミの手の奥の僕
閉じていた目を開けて、視界を作るとそこには先生はいなかった。
Why?
「ったく、入学式こないしーまさかもう来ないのかと思ったよ」
普通に私の方に歩いてくる沙和。
辺りを見回すと、誰一人席に座っている人はいなかった。
皆仲の良い友達と一緒にいて話をしている。
「ねぇ、なんで?HRは?」
「なんか、担任が『好きにハッスルしなさーい』とか言って消えたよ」
沙和はフンと鼻で笑ってさっきまでの出来事を話す。
そんな事あるのでしょうか?と固まる私に、沙和は席へと連れて行ってくれた。
「まあ今日は出席順らしいから、分かるだろうけど一応ね」
と言って。