ウラコイ2 銀幕の旦那様
「…先輩。」
「謝るなよ。惨めに感じるから…、神田さんと上手くいくといいな。」
千広先輩は ふっと笑った
「神田さん…」
「部屋にまで来るのはやり過ぎだと思うけど一条さん…。」
一条さんはクスクス笑う
「ばれちゃいましたね。岩井さんに…」
「…君が言ったのか岩井さんに。」
道理で知ってるわけだ
「何で…そういう真似。姉を困らせて楽しいんですか?」
「……私あの人嫌いですから。恵まれてる事に気付かないで生きてるあの人が…、」
「嫌いでも彼女は一緒に仕事するスタッフだ…。」
はぁ……
演技はそれなりにうまい
けど役者意識がまだ足りない…
「スタッフ…ですか。割り切ってるんですね、神田さんあの人が女優だったらて考えた事ありません?」
「は……何を…」
急に何を言い出すんだか。
一条さんは淡々と感情が
こもってないように話す
「…そしたら楽じゃないですか?こそこそ隠す事も、人を騙す事もない…。あの人がカメラマンだから…」
もしかしたらて考えるの…