ウラコイ2 銀幕の旦那様









「槌谷…しばらく休め。酒谷さんには言っとくから」



「え…」



千広先輩は心配そうな顔をしていた




「顔色が悪い。そんなんじゃ仕事してる時に倒れるぞ」


「でも…」





「何があったか分からないけど、無理はするな。女の子なんだから…体は大事にしろ」



女の子なんだから…


ふっと笑ってしまった


「…久しぶりに聞きました先輩の、女の子扱いする言葉」



「わかったから、休め。部屋にいってろ」






「はい…」




さっきから翔太くんと一条さんを見れない




頭が痛い…



ふらつきながらスタジオを出た








「……部屋で寝よう」




日差しが強くなってきた


もう7月…
そろそろ梅雨が明ける






「槌谷…さん」




「…ごめんね、体調悪くなったみたいで。気にしないでね…」



翔太君は頬に手を当てた


「熱いな…。撮影早く切り上げていくよ」




「出来たらでいいよ。主役でしょ?美帆もいるし…」




「…わかってる」







神田さん、どこ行った?と叫ぶ声がした



「戻るしかないみたいだ…。じゃあいくよ」







翔太君は 走って行った







良かった

ふたりを見ないですむ






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