ウラコイ2 銀幕の旦那様
近くなのにタクシーを使って旅館に戻った。
部屋に着いて 窓を少し開けて
布団を敷いて横になった
神田さんをあたしにちょうだい…
彼女に翔太君を…。
いや…
やっと見つけた
わたしを見てくれるひと
なのに
あの娘に
わたしの妹に……
美麗さんに…
彼まで渡したくない。
奪われるのは父さんだけで…十分だ
〈美帆目線〉
千広先輩に聞いたらみちるは
旅館に戻したといっていた
気分が悪そうだったから…って
確かに帰してよかったと思う
一条めぐみがまたなにか
ちょっかいを出したらしい
ったく―、
妹なんだから少しは姉を慕いなさいよ
イライラしながらメイク道具を整理した
もし一条めぐみがきたら
チークすっごい濃くしてやるんだから。
神田弟は…どうしてんのよ
なんか
嘘ついたとかいってたけど…
―槌谷さんを縛るのはやめたら?
旬が言ってたあの言葉。
旅館に帰って話したらすぐ教えてくれた。