ウラコイ2 銀幕の旦那様
監督には事情を話したみたいで
翔太君はすぐ旅館に行き着替えてきた
水野さんではなくタクシーを呼んでいた
わたしは一緒に乗った
すいません、南座までと翔太君は言った
「市村さんから?仲良くなったの。なんで…一条さんは南座にいるの…?」
「近くをうろついてるのを市村が見たらしい…。それで電話してきた、確保してろって言ったから…」
淡々と翔太君は言った
「大丈夫かな……」
〈市村目線〉
「きみ今日撮影じゃないんですか、一条さん。」
南座近くの四条大橋を彼女はうろついていた
「…市村さん」
神田から電話があり一応声をかけた
仕事ほっぽりだして
何をしているんだか…
「…何かあったんですか。」
「……。」
だんまりかよ…
面倒くさい女だ……
こっちから言うしかないのか
「神田さんから電話がありましたよ。何を撮影中に逃げているんですか…」
「…それは……」
本当なのか…。
「…」