ウラコイ2 銀幕の旦那様
「本当だったら、恐ろしいね。君は自分のいまの行動をわかってるのか?舞台に穴をあけてるんだよ…」
「わかってるわよ…。……私だっていろいろ考えてるの、なのに……ちっともうまくいかない」
うまくいかない…
何でこんなことも
わからねぇんだ勘太郎…!
「何でもうまく行くわけないよ。世の中うまくいかないように出来てるんだ…うまく行ったら人間は、努力しなくなる。そうなったらおわりだ……」
満足は一生するな。
しちまったらお前ぇはそこでおしめぇだよ…
「……」
「…南座の中にでもくれば。君そのままだと日焼けするよ、茶ぐらいだすし…。足痛そうだし…そんなヒール履いて、馬鹿みたいだな」
「馬鹿って…なによ」
彼女は 反撃してきた
さっきよりは
まともになったみたいだ
「来なよ。…痛くない草履やるよ」
彼女は 不本意
そうに悔しそうな顔で
後ろからついてきた