ウラコイ2 銀幕の旦那様
「分かってる。ねぇ槌谷さん、あなたも悩んだ…?たくさん、」
「うん…。悩んだよ、いまも悩んでる、仕事もあなたの事も。私ちゃんと話したい、嫌いなら嫌いでいいから、…好きになれって方が難しいから…」
話そうと口を開いたけど
また彼女は口を閉じた
「……。馬鹿みたい」
「……一条さん。」
「……本っ当にママが言ってた通りの人ね。あなた…お人好しで優しくて…。わざわざ私まで捜しにきて………。意地悪い女だったらすっごく苛めてやろうて思ったのに……」
いじめてやろう…て
「……あなたいい人なんだもん。なんか…気抜けちゃったわ……。」
ふっと彼女は笑った
私と彼女と翔太君は
一緒のタクシーに乗った。
「……槌谷さん、神田さん、ママいま病気で療養しているの。女優も休業状態だけど、映画の話しをしたら槌谷さんに会いたがってたわ…。」
「…美麗さんが、…」
わたしが聞き返したら頷いた
「…ママいっつも気にしてたわ。あなたを一人にしてしまった事…」