ウラコイ2 銀幕の旦那様
その日の撮影を無事終え…
私は明日の準備をするため部屋にいた
こんとドアが叩かれた
「あたし一条だけど。いま時間ありますか?」
「…大丈夫だよ。入って入って…」
ドアをあけると一条さんがいた
「…町谷って人はいないの」
「美帆はいま彼氏に電話してるから…。まだ準備してるから汚くてごめんね」
一条さんはすっと中に入ってきた
「ごめんなさい。あなたに酷いこといっぱい言ったりしたりして…」
あたしの目をみて彼女は呟いた
「……『くじら』が決まって、あなたと仕事するって知って、戸惑った。どうしたらいいのか…って、」
「うん…」
馴れ合うことも
距離をおくことも…難しい。
どうしたらいいかわからない
それは私も同じだ。
「あなたのことママから聞いて、正直憎たらしかった。だから意地悪したり、しようとした……神田さんとろうとしたりもした。…馬鹿よね、誰も幸せになんかならないのに」
「……。」
馬鹿よねという言葉に頷けなかった
「…馬鹿じゃないよ、一条さん。たくさん考えて自分で出した答えでしょ。間違ってなんかないよ…仕方ないよ」