ウラコイ2 銀幕の旦那様


…。








「ありがと。神田弟…」



「担架と、大丈夫だと思うけど医者を…。ただ意識を失ってるだけだ…」



プールの水をかき分け
みちるさんを陸にあげる




髪が水に濡れている
右手をずっと握りしめていた




ゆっくり手を
開くとネックレスが入っていた。



町谷さんが近くに来て話した




「…町谷さんみちるさんは、何が」



「あんたのいとこが、知ってるわよ。何がなんでも口割らせて謝罪させて」




町谷さんはみちるさんをみていた


爽…。







「町谷さん、彼女を頼みます。俺は爽を…目が覚めたら携帯に連絡ください…」




淡々と口から言葉が出る



他人の体を借りて
話しているみたいだった…



「わかったわ。」





しっかりと頷いた町谷さんを見て
ホテルの中に入る


ホテルの人間、医者らしき人とすれ違う





ロビーでうずくまっている人影を見つけた



「……爽」



「……翔にぃ。」




爽はびくりとした



「…爽、」


「…あの人死んでないよね!あたし…っ……」


濡れた着物の袖を掴む

震えていた…





「話を聞かせてくれないか、判断はそれからだ…」




< 169 / 600 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop