ウラコイ2 銀幕の旦那様
彼はすっと歩いて来て 私の布団の近くに座った
「…平気。ありがとう助けてくれて、」
翔太君はあぁと目を細めた
「……びっくりしたよ。町谷さんの声がして、見たらみちるさんが落ちてきてんだから…」
「……ごめんね。…爽さんは、」
「ちゃんと話したよ。明日また来るから、話聞いてあげて欲しい…」
申し訳なさそうに頭を下げた
「……うん、聞く。…翔太君……」
頭を下げたまま動かない
「……」
「翔太…君……。」
「……たかがあんな物の為に飛び降りるなよ…、」
あんな物…、
「でもあたしには大事な物なの。あんな物って言わないでよ…」
「あんな物だよ…。」
「……何が?」
彼がなにを言いたいの
かがわからない
「命と比べたらあんな物だろ!……なんで簡単に投げ出すんだよ!!」
「……、」
翔太君の手に触れる
冷たくて…少し震える…
「ごめん、大声出して…」
私は首を振った
「……ごめんね」
彼は黙ったまま私の手を握り返す
「ネックレスなら…またいくらでも、買ってくるから。……もうあんな事しないでくれ、死ぬかと思った…」