ウラコイ2 銀幕の旦那様
「あ、お祈りしなきゃ。」
美帆は 露店を
並ぶ道の先を指差した
かすかに鳥居が見える
人がたくさんいた
こういうのを黒山の人だかりと言うのだろう
めぐみさんは後ろを春菜さん
と他の共演者の人といる
「人多いなぁ…。」
「当たり前よ。昔からあるんだから、祇園祭りは由緒ある祭りだもの」
美帆は歩きながら解説してくれる
からころと下駄の
音があちこちからする
蒸し暑い熱気と太鼓と笛の音
「そういえば3年前もお祭りに行ったね…。」
「そういえばそうね。」
「早いね…こうやってあっという間に歳とってくるんだね…」
たくさん色んな事があって…
それを乗り越えていって。
けどまだまだ
自分は子供だと感じる…
「…嫌だわ。オバサンになる一方で自分はまだ若いとか思うようになるって考えたら…ぞっとするわ」
苦笑しながら美帆は言った。
あたし達はどうにか人の
山を切り抜け神社についた
「…この祭り、は夏を無事に過ごせますようっていう祭りなの。撮影うまくいくように祈りましょ」
「…うん」