ウラコイ2 銀幕の旦那様
パパが…。
そういえば旬も
そんな事を言っていた
いつだろうか、夏にデートした時に話した…
『何でそんな甘いもん好きなの?もう二皿目でしょ…』
相変わらず甘い
パフェを食べる旬に聞いた
『……うまいからだよ。美帆さん、』
『そういう当たり前の意見は聞いてないわよ。理由よ理由……まったく』
あたしが怒ったように言うと
旬は言ってなかったのか…
と一人で頷き話した
『……家でこういう物食わせてくれなかったんです。男が甘い物を食うなんて…情けない。今で言う男尊女卑…の躾をされて、……』
『はぁ!じゃあ…誕生日ケーキも?』
『…えぇ、二十歳になってから初めて食って……うまかったな。今でもあの味は覚えてますよ…』
懐かしそうに目を細めて
微笑んだ旬の顔は優しくて
馬鹿みたい…って
言おうとしたけど
その顔を見て何も言えなくなった
彼はその馬鹿みたいで
当たり前の事にずっと憧れていたのだ
そんな彼をあたしは
笑う事が出来なかった。
かわりにすごく泣きそうになった