ウラコイ2 銀幕の旦那様
「…いいですか。結婚て」
「そうだね。待っててくれる人がいるっていうのは嬉しいよ、」
水野さんはにこりと笑った。
わかってくれるなんて
思いあがらないほうがいいですよ…
わからないうちに
心は離れていきますから…
岩井(奴)が言った言葉
わかっている、そんなこと
だからいつも
言葉にしようとしてる
離れていかないように…
気持ちが分かるように…
「神田くんもいい年だし、何でもしたいようにしてみたらいいんだ。しない後悔よりする後悔だよ」
「はい…ありがとうございます」
「いやいや…。偉そうに言って、悪かったね。」
水野さんは照れくさそうに笑った。
他の人に言われたら
腹が立つことでも水野さんは違う
素直に受け止められる
彼の携帯の待ち受けはここ
三年ずっと変わらず笑っている娘さんで…
彼もちゃんと
家族を大切にし続けている…
たくさん苦労もして
そして今幸せそうに笑ってる
“普通”だと笑うけど
それが一番の幸せだと思う
いくら金を出しても買えない
〈目線おわり〉