ウラコイ2 銀幕の旦那様
「ちぃ姉。あれ美帆さんは?」
めぐみさんは
日傘をさして歩いてきた
今日は外(洋館を貸し切って)の撮影だ
「トイレに…って、“美帆さん”て呼ぶようにしたんだ?」
めぐみさんは そっと軽く笑った
「あの人何だかんだで良い人だし、綺麗事言わないし、いい意味で尊敬出来るひとだから。最初“マッチー”て考えてたけど、どーせ結婚しちゃうし美帆さんのほうがいいかなって…」
「あはは…マッチーて、」
「美帆さん爆笑してたわよ。どっかのアニメキャラか!て…」
「そーいえば…美帆さんの結婚式、ちぃ姉も行くんでしょ?あたしも二次会になら来てもいいって言われたから。」
結婚式か。
「…行くっていうか挨拶をしなければいけないの。気が重いなぁ…」
「いいなぁ。あーあ…ヒーローが来ちゃった、またね」
めぐみさんはにっと笑うと
手を振って優雅に歩いて行った
「ヒーロー…って、」
「気をきかすなぁ…。お疲れ様」
「神田くん。お疲れ様です」
着物を着て憎たらしい笑顔の
彼が後ろに居た
「さっき町谷さんとすれ違ったよ、散々文句を言われた。ミスしても文句言うって…何なんだか。」
「…そういう性格なの。今日ミスしなくて良かったね。」