ウラコイ2 銀幕の旦那様


目の前にいるのが
翔太君なのに翔太君ではない







藤堂先生だ。



『お…僕は彼女のおかげでまた生きたいと希望がわきました。薄情だと言ってくれて構いません、僕は確かに貴女が好きでした…けど……もう終わりにしたい。もう貴女を…愛する事は出来ません。』




『そう…』


あたしはじっと
翔太君…先生を見る




『もし貴女がこれ以上邪魔をなさるおつもりなら容赦なくやります…僕、はもうあなたと一緒に海の底にはいれない。陸で、自由に生きます』




『…行きなさい。幸せにね、ごめんなさい…久白君。最後に貴女を選べなくて…』



ゆっくり首をふり微笑む



『……いえ、さよなら。行きましょう瑠璃子さん』



『はい…』








わたしは一旦 台詞をきる


はぁと息をはく



「…すごいね。ちゃんと藤堂先生だ、」




翔太君は ふっとわらう
いつもの笑みじゃない




『先生…』




『何ですか?』




『……好きです。なんか胸がいっぱいなんです、なんでか分からないんです。』





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