ウラコイ2 銀幕の旦那様
「ありがとう。」
「うん…」
〈めぐみ目線〉
撮影は終わったのに
ちぃ姉はなかなか帰ってこない
あたしは 部屋にもどることにした
もう一回くればいいし…
そういえば7階
景色がきれいだったかな…
エレベーターで7階に降りる
バルコニーには先客がいた
「……う、市村さん…」
「…お嬢さま、今日はご機嫌いかかですか?怒ってはないみたいだな…良かった良かった」
この前迷惑をかけて
あたしはなんとなくこの人が苦手…
見透かされてる気がしてなんか…ヤダ
タバコの煙をすぅと吐き出す
「その節は…あ、謝ったはずですが…、」
「別に気にしてないよ。神田と一緒に来たスタッフの人は知り合いなんだろ?」
知り合いってか 義理の姉…
この人に言うことでもないかな…
「まぁ…はい。」
「今日はすっころびそうな靴履いてないんだな…、」
くくくと足元をみて笑った
今日はただのサンダル…
「これはっ…ホテルだし、いいじゃないですか。楽だし…」
「そうだね。」
なにがおかしいのよ
「…そういえばあんたタバコの匂い平気なの、ずっと風下にいるから煙そっちに流れてるんだけど…」
たしかに煙い
あたしは市村さんの
近くに移動して座った
「え…ああ。あたし平気です、ぱ……父も喫煙者ですから。」