ウラコイ2 銀幕の旦那様




ふーんとタバコをふかしながら言う




「市村さんは歌舞伎してるんですよね、吸ったらだめとか無いんですか?」


冗談で聞いたら
あんまり聞かないけどなと笑った



「親父はこれと酒がなきゃいきてけないらしいけど…まぁ気晴らしに吸う程度だよ。さすがに喉を痛めるから毎日は吸わないな……」



灰を器用に灰皿にいれる




「…あんたはモテるよ。最近はタバコが好きな女なんて中々いないから、…喫煙者ってだけで人を犯罪者みたいにまくし立てるからね…人を完璧だと思ってんのかね、」



「…そう思わない人もいます。」



「……」





なんか少し寂しそうな気がする…


何でかな…


目を瞑って何を考えてるのかしら…





「そうだ。誕生日…」


「はい、」



「いつ?あんたの…誕生日」



「8月10日…ですけど」



急に誕生日?



「…靴あんたにやるよ。転げないような足を綺麗に見せる靴…話し聞いてくれたお礼」







ふっと笑った顔は
あんまりイヤな顔じゃなかった




むしろスキ…










だめだめ騙されちゃいけない






でも この人は
何でこんな寂しそうな目なんだろう





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