ウラコイ2 銀幕の旦那様


「なに、人の顔みて。」

「いえっ、…」







プルルと電話が鳴った


「もしもし、あぁアケミちゃん。あぁ……ハイハイ、ちゃんといくから…。あ?はいわかった、」



プッと電話を切った





「…ごめん。電話が入った」

「いえ、おきになさらないで下さい」



ははと 笑った




「…さっきのは店の子からの営業電話だよ。しばらくいってないからまた来て下さいて…」



「…そうですか」


「そうですよ。…彼女かと思いました?」






また新しい
タバコを出して吸い出した




「俺は、女は苦手なんだ」

「はぁ…何でですか」






風に市村さんの髪が揺れる
間を空けて話すのは
役者なのだからだろうか





「…裏切るから。」




あたしの方を見ることなく言った


「…悪い、こんな話しして。聞き流していいよ…、」


裏切る…?



「…市村さんは…裏切られたことがあるんですか?だから…」


「……」




市村さんはまた、
ふーとタバコの煙をはいた







〈目線おわり〉

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