ウラコイ2 銀幕の旦那様
「…はいカット~。休憩ね。神田君、市村君おつかれー」
夜から撮影は始まった
「……あぁー、槌谷次のシーン用のカメラ変えといてくれ、奥のやつ」
「はい。」
たっと機材がある部屋に走る
「……えーと、あったあった。」
また現場に戻る。
「……あんなに間を溜める事ないんじゃないですか。歌舞伎じゃあるまいし」
翔太君?
「あながち現代劇でもないでしょう…?神田さんこそ、もう少し雄弁に話されては?あんなんじゃただ弱々しいだけだ…」
「……。」
「失礼しますよ。」
市村さんはすれ違い様に私を見て通り過ぎた
張りつめた感じの空気…
役者さんどうしの言い合い…
どの現場でもある事だ
「……槌谷さん。」
「わわ…、神田君。立ち聞きする気はなくて…、その」
カメラを抱えたまま
しどろもどろになった
「……いいよ。お疲れ様、見苦しい所見せてごめん」
ぽんと 頭を撫でて
翔太君はまた現場に行った
何か確執とかあるのかな。
市村さん…は
確か歌舞伎俳優だから
やっぱり価値観の違いなのかな