ウラコイ2 銀幕の旦那様
「御代は昨月の買わなかった分から引いてて下さい。」



「はいかしこまりました。」


「ちょ…御代て…ちょ」



中村さんはニコニコしていた


「あの…お」


「…さて帰るか…。」


市村さんは
入口に向かって歩いていた


中村さんも ありがとう
ございましたと頭を下げる



「市村さん!」



あたしはつい呼び止めた




「ようやくまともな面になったな、良かったよ。」



「は……」





一瞬笑って店を出た




「ちょっと…」



「あんたに一つ教えとくよ。綺麗に見えるものは綺麗じゃない…、綺麗なのはその人を生かす靴だ。あんたの履いてる靴はあんたを潰してる…だから卑屈な考えに走って逃げた…」




卑屈な考え…


あたしは姉に対する態度が
わからず彼女を傷つけそして逃げた…




「…足が一番よくわかってるはずだよ。その靴をはいて、悪い考えは消えただろ。その靴はあんたを生かすよ…」








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