ウラコイ2 銀幕の旦那様
「一条さん、」
「何ですか?神田さん」
休憩もおわってまた撮影に入る
スタジオはざわついていた
あたしは台本を持った
ままぼうっとしていた
台詞を頭にいれるつもりだったのに…
「いや…なんかぼうっとしてたから。市村と何かあった?」
「…なにも」
「そうなの?……」
もう25のはずなのに
悪ガキみたいな顔で笑う
こうゆう顔に女はだまされるんだ…
「市村は悪い奴じゃないから…。けど…」
「けど何ですか?」
「…深入りはしない方がいいよ。いくらそういう性格の君でも攻略出来ない相手ってのはいるから」
神田さんは そういって
監督のところに行く
攻略出来ない相手って
わたしはさらさら攻略する
つもりなんかないのに…
なによ、
ちゃんと笑うし、怒るじゃない。
深入りするなって…どうして。