ウラコイ2 銀幕の旦那様
〈翔太目線〉



昼の休憩で俺は
外でお茶を飲んでいた









「神田。タバコ吸うかぁ…?」



笑いながら市村は
タバコの箱をカラカラと振った




市村は俺がタバコを
吸えないのは知っている


いつもの冗談だ



「いらん…なぁ市村」






タバコを服の中にしまって隣に座った


「…その一条さんの事は、どうなんだ?」



「あぁ…いい子だと思うよ、下手にスレてないのがいいな。若いつっうの?」



若いか…。




「…お前がなに聞きたいか当ててやろうか、神田。一条さんの事が好きかどうかだろう、」



さらりと市村は 言って
得意気に笑う


「……わかってるなら答えろよ。」



「あの子は別に嫌いじゃないけど、遊ぶにはむいてない子だと思うから手は出さない。…いるじゃないかそういう子、逆にお前と仲のいい町谷サンとかならいいけどな…」


ここで町谷さんが出てくるのか…



「…そうかよ、」



市村が遊ぶ理由は
寂しい事のほかにもう一つある



いずれ結婚をしなければ
ならないからだ


特に厳しくはないが


親父の勘十郎さんが

張り切ってるらしくなんでも相手まで捜してるらしい…


一人息子
だから無駄に期待されてる…




市村は 馬鹿馬鹿しい話だ。
…と話しながら笑っていた



だから結婚する時まで
自由に遊んでいたいらしい



せめて親父に嫁を
決められるくらいなら…

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