ウラコイ2 銀幕の旦那様
「ちょっとみちる!」
美帆が休憩室に走ってきた
「あ、美帆いま行くとこ…」
「それどころじゃあないのよ…とりあえずあんたたちちょっと来なさい!」
有無を言わせない口調で
美帆はあたしと翔太君をせかした
どうしたんだろう…
美帆は 非常階段のとこまで来て扉を開けた
階段にめぐみさんがうずくまっている
泣いてはいなかった
「めぐみさん…」
「どうしたんすか?」
美帆は腕組みをしてため息をつく
「あんたたちの話聞いていたみたいよ?さっき話してたでしょ…」
「あぁ…市村と。アレを聞いてたか…」
翔太君は頷いた
「…泣いてはないけどなんか辛いみたい。」
「一条さん」
「あたしは…別に…、なんとも、だって好きかわかんないし…けど何だか…嫌な気持ちになったの。遊ぶのがあたしはダメで美帆サンはいいって言ったのが…なんかモヤモヤする」
あたしはめぐみさんの背中をさする
泣けばいいのに泣かない
女優だから、撮影に響くから…
まだ二十歳にもならない子なのに
自分のあるべき姿が
しっかりとわかっている…