ウラコイ2 銀幕の旦那様
翔太君がいない三年
携帯で繋がっていたけど
中々会う機会はなかった…
寂しかったけど、翔太君が活躍するのを
聞くとこれでいい
間違ってない、と思う
そう言い聞かせていた
「…『くじら』かぁ…。」
ようやく帰ってくる
「…何妄想してるんだよ。槌谷ぁ」
「千広先輩~。別に何でもありません」
「へぇ――。」
岩井千広さん、
専門時代のカメラマンの先輩
茶髪で眼鏡な大人な先輩
いつみても若く見える…
「…まぁいいや。飯食いにいかないか?美味いラーメン屋見つけたんだけど」
「行きます。今日昼であがりなんで…、」
「相変わらず飯に食いつくなぁ。槌谷はぁ…」
千広先輩は笑っていた
「ちょっと」
先輩と別れたあと
美帆がカツカツと
近付いてきた
「浮気ぃ?」
「違う違う、ご飯食べだよ。デートな訳ないし」
美帆はジロリと
睨み付けてきた
「…お決まりの天然キャラみたいに『先輩は友達だよぉ、あり得ないよ。』とか言わないでね」
ははは…
天然キャラって…