ウラコイ2 銀幕の旦那様
どうしても 瞳が出てくる
あれはなんだ これはなにと聞いてきた彼女の顔が…
あんな事を言ったから瞳は二度と会いになど来ないだろうな…
早く結婚すればいい。
そして生きていればいい
優しい旦那と 一緒に。
自分は大丈夫だ
歌舞伎があるから…
「…それからしばらくして歌舞伎漬けの毎日にもどった。…瞳の結婚も気になったが無事進んでいると思っていた…。」
稽古を終えて家に帰った
父も母も今日は遅く使用人も少なかった
どこかで飲んでくれば
良かったと思いつつ自分の部屋のふすまを開けた
「誰…」
「久しぶり修介君。」
まぎれもなく瞳がいた
「な……んでここに…」
急で口が開かなかった
瞳は寂しそうな顔をしていた
「…何しに来たんだよ。家に帰れ、…」
「言いにきたの。修介君、あたしお医者さんと結婚なんかしない。」
「…」
瞳は真剣な目をしていた
私は言葉が出なかった
人がやっとの思いで諦めたのに…
「…ならどうするんだ、」
「わたしを修介君のお嫁さんにして。」