ウラコイ2 銀幕の旦那様




「わかってない、お前が死んだら親父さんや舞子さんがどんな思いをするか…」


「そんなの分かってるよ!」




瞳は叫ぶように言った


「もううんざりなのよ!死なないように…とか…。あたしが病弱なのは治らない。お見合いしたお医者さんがいってた。」



治らない…



「治療しようが治らない。現状維持それだけ…、笑っちゃうでしょ。」



わざとらしく笑った
瞳のこんな顔は初めてみる




「瞳、…」



「でもね治らないって今更言われてもなんとも思わなかった…。だからもういいの。修介君、結婚しよ」
























「私は彼女と結婚した…。親父をどうにか説得して…そして昌良が生まれた、病弱な彼女が生んだとは思えないほど元気な子だった。彼女は出産も危ういと言われたけど無事だった…。文字通りそれから幸せな毎日だった」


勘十郎さんは淀みなく話す





「…生きてきてあれほど幸せだと感じた時はなかった。瞳は2年くらいは病弱なのが嘘みたい健康だったが…ある日突然体調が悪くなって入院してそのまま……」






亡くなった…










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